「怖い話」克服③-冥界行バスー

 

 

「ありがとうございます。おかげで落ちつきました。私はこの町の某企業で働いているものです。で私が震えていた理由ですね。いまだに信じられないのですが、醜態をさらしてしまって申し訳ない。
いつもの会社の帰り道、大体1時ぐらいでしょうか、まあなんというか疲れを取るために、あるもう使われていないバスていによりかかっていたんです。

社会にでて20年程立ちます。若いころほどではないですが、いまだに悩みというものはありますね。わかっていただけると思います。

しばらく休んだ後、われにかえって家路に就こうとしました。時刻表を見ると2時ごろにバスが来ることになっています。もちろん来るわけがありません。
しかし今まで何回もそこを通っているのにもかかわらず、その時初めて見た時刻表が妙に気にかかったのです。時刻の横に冥界と書いてあったのです。

で、バスは来たんです。
異様な光景でした。バス全体が霧に包まれたような光を発してはいるが、それが闇の中に溶け込んでいるような感覚に襲われるんです。

それに乗る人は生気の無い死人の様でした。体の一部がない人、大けがをしている人、そいつらが一斉に私を凝視して、私を指さしました。訳が分からず叫びたい気もちで、立ち尽くすことしかできませんでした。

そして少しだけ頭が動き出したと思ったときにはもうバスの中でした。バスの中の彼らは何をするわけでもなく、もうこちらに興味がなくなっているようでした。
それどころかバスの走る音も含めて、一切の生きている息吹というか、物音がしないのです。
窓をみてもくらい森の様な場所を走っており、そこがどこなのか、どこをどう走っているのか定かではありません。

私は、半狂乱になって、運転手に詰め寄りました。「おろしてくれ、私は間違えてのったんだ。ここはどこなんだ」とね。

運転手は「お客さん迷惑ですから、乗車券買ったんでしょう、そしたら降りられませんよ」と、まるで機会か何かを通して遠くから話しかけているような声で、こちらを向かずに言ってきました。
それから何を言っても取り入ってもらえないのです。
私は、何か助けを求めるようにあたりをひたすらに見まわしました。本当は見たくなかった。でもそうするしか方法はなかった。

すると、今まで気が付かなかったのですが、一人だけまだ人間だと思える少女がいたのです。片腕がないだけでした。
少女に近づき私は助けを求めました。少女はしばらくしてから「切符」とだけ言ってそれ以外には何も言ってくれませんでした。

その時きづいたのです。切符がなければこのバスを降りられるのじゃないかとね。そうしてポケットの中をまさぐると切符があったのです。私は急いで、運転手に駆け寄り、その目の前で切符を破り捨てました。

しかしバスははしりつずけました。あきらめかけた時、バスはとまり、私は降りる事が出来ました。
そこは、あるバス停の前でした。遠くをみるとボーと光る町の明かりが見えました。
道なりに元の場所に帰れるかとも思いましたが、疲労も困憊だっあので、町の方へ向かうことにしました。あれは町ではないんじゃないか、歩いているあいだ不安に駆られましたが。

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