もう死刑になった強盗殺人犯に関する話。
彼の手口は、電話帳に載っている電話番号にかたっぱしから電話をかけて、子供一人でいる家を見つけて、そこに押し入るというもの。
その昔は、携帯電話がなくそれぞれの家に固定の電話があった。そしてインターネットもなかったので、電話帳という家庭の電話番号がのっているものがあり、個人情報保護とかなにも関係なかった。
彼の犯行では、家のお金が盗まれるだけではなく。子どもは惨殺されて、それが玄関においてあるなど非常に残酷なものだった。粗雑な手口から、ある刑事によりつかまり、投獄されて数年ののちに死刑になった。
しかし事件はおわらなかった。
おじさんが逮捕されてから数年後、刑事の息子が一人家にいる時に、電話がかかってきた。
「おじさんね、君のパパに殺されちゃったから、いまからお礼に行くね」
息子は恐怖のあまり、それが良い事なのか悪い事なのかはわからないが、とっさにこう答えた。
「いえ人違いですよ。前の人なら引っ越しました。電話番号も別です」
相手は無言のまま、電話はすぐに切れた。
それ以来、おじさんの霊は復讐のために刑事の家をさがしているという。貴方の家の電話番号が電話帳にのっているか、調べた方がいいかもしれない。