「怖い話」死体を埋めるゲーム

 

恐ろしい偶然というものがあるらしく、これは俺がアパート暮らしだった時の体験だ。

いきなり何のことかわからないだろうが、俺はある時「死体を埋めるゲーム」にはまっており、これはパソコン黎明期のブラウザゲームの中でもかなりマイナーなもので、つまり俺は相当なおっさんのわけで、そんなロートルな話で良いのなら聞いてくれ。

しかしあのゲームを見つけたのは偶然で、そもそもかなりのマイナーサイトにおいてあり、そのゲーム内容はただ死体を埋めるだけのもので、それが延々とつづいて終わらない上に、勝利条件とかは一切提示されないというものだった。

クリアまでねばってやると決意して、ある時思い切ってずっとプレイをしてみた。

いや-本当のことを言うと、その頃は大学生だったのだが、何もやる気が起きずに現実逃避していただけなんだがね。

楽しいゲームならともかく、そんなものを一日中やるなんてどうかしていると自分でも思うが、意外に早く6時間程でクリアして、クリアというか「死体は埋まりました」という文字が黒い画面に表示されて、それで終わりだった。

駄作にも程があるだろうと呆れたが、その後気晴らしにスーパーに行くと、肉が全品半額になっていて、これは一応頑張った俺に天からのご褒美ではなんて勝手に思って、大量買いしたんだ。

一回限りならば、ただの偶然だろうが、実はこのゲームをクリアすると、スーパーの肉が半額になるという現象は何度もつづいて、それはもうこのゲームと現実がリンクしているとしか思えないほどであり、しかし同時にそんなことはありえないという、いたって常識的な認識も俺はもっていた。

ただ之と関係しているのか、さらにおかしなことが起こった。それはさあ、ある日ゲームを6時間してクリアしたはずなのに、いつもの「死体は埋まりました」ではなく、「死体切れです」というワードが出て、そのままパソコンが強制終了して、再起動してもなぜか、二度とそのサイトにはいけなくなってしまって、それだけなら良かったんだけどさあ、なぜかこれも連動しているのかは知らないが、翌日に隣の住人が白骨死体で発見さらたらしく、いやそんな馬鹿なことがと思ったけど、俺は少し気味が悪かったよ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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