「怖い話」苦い飴の彼女

 

俺の彼女は少し変わっている。

出会ったときからなので、もうなれているけれど、それはいつもというわけではないが、かなりの頻度で、歩いているときでも、とにかく飴をなめているというところだ。

可愛らしく優しい印象に撃たれて俺から告白して、今も付き合っているが、彼女が飴をなめる理由は幽霊を感じるからだという。

彼女によると、わかりやすい事故現場とか、人気のない所とか、そうでなくても今まで言来たことのない場所、とにかく幽霊とか危険な存在が佇む場所にいくと口の中でかすかに苦い感じがするそうなのだ。そういうことが昔から頻繁にあり、すぐに場所を離れられるおかげで怖い現象にはあわないですんでいると彼女は苦笑しながらいっていた。

逆にそういう苦さを感じた時に長い間そこにいると本当に幽霊が現れるのか?と俺は聞いてみたが、彼女曰く、以前いい加減自分の心霊的なメンタリティがいやになり、一時期その苦い感じを無視したら、そのおかげで無事大惨事が起きたとのことだ。それ以降飴をなめることで、苦みを感じやすくしているという。

苦みが飴の甘い味で相殺されないかとも思うのだが、そうではないようだ。より甘みと苦みのコントラストが引き立つらしい。漠然とだが、味覚というのは細胞の反応というだけでなく、色々な要素があるのかもしれないとのことだ。でもこれも結局心霊かなと笑った彼女がやはり可愛かった。

話はこれでおわりです。

 

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